はりは、体にある経穴(ツボ)や凝ってしまった筋肉に髪の毛よりも少し太いくらいの鍼(直径0.18mm前後)を刺し、からだにいろいろな変化を起こさせる治療法です。 たとえば、細い神経に作用して、血流をよくしてコリを取る、痛みを改善するという効果があります。またさらに、経穴を利用することにより、様々な病気に対しての予防、治療効果を発揮します。
たとえば、つわり、車酔いなどで気持ち悪さを感じたら手首の関節の線の真ん中から、指3本分、肘よりの部分で固いすじとすじの間にある内関というツボを押してみてください。徐々におさまってくるはずです。
これは、経穴の効果として代表的なものですが、WHO(世界保健機関)でも、この効果は認めています。
当院では感染予防のために、使い捨て鍼(ディスポーザブル鍼)を使っています。1度刺した鍼は同じ人であっても2度使いせず、医療廃棄物として捨てます。 なお、使用前の鍼は滅菌してあるものを使い、細菌が存在していない状態にしてありますのでご安心ください。
「よもぎ」という葉から、線維を取り出したものを「もぐさ」といいますが、これを、きゅうに使用しています。きゅうには、もぐさ皮膚上で燃やしきる直接灸、皮膚上では燃やしきらない間接灸があります。当院は数種類のきゅうを取り入れています。 皮膚に底面が0.5㎜ほどの円錐型のもぐさを載せて燃やす「透熱灸(とうねつきゅう)」は「ツン」という刺激があり、滞っているものを取り除きたいときに使用します。例えば、膝に水が溜まっている、身体に熱が籠っているときなどに使用します。また体に一瞬、感じる程度の刺激によって体内に小さな炎症をおこし、白血球の増殖を促し、免疫機能を向上させるなどの作用があります。治療を続けることで、からだの抵抗力も高められます。 間接灸は円錐型のもぐさを途中で消す「八分灸(はちぶきゅう)」、もぐさが筒に入っている「温筒灸(おんとうきゅう)」、はりと同時に使える「箱灸(はこきゅう)」、さわり心地の良い金属をもぐさで温めながらマッサージを行う「温灸器(おんきゅうき)」などがあります。主に冷えているところを温めるのに使用します。
あん摩は古代中国に起こり日本に入ってきたものです。経絡を刺激し気血の流れを改善します。 指圧は日本の中で発達してきた指による圧力を主体として刺激する方法です。 あん摩と指圧は服の上から行います。 マッサージはヨーロッパに起こったもので、オイル、タルク(パウダー)を使用して皮膚を直接に、滑らかに刺激して血液、リンパの流れを改善させるものです。 これらの手技療法は、皮膚、筋への刺激により、血液、リンパの循環を促すことができます。また刺激された皮膚に分布している神経の作用によって内臓の機能も改善させることができます。 こり、疲労感、体の重さから解放され、爽快な気分になることができます。
私たちの身体は時の流れとともに、刻々と変化しています。夏には夏の身体、秋には秋の身体の性質があって養生法も季節ごとに違っています。 たとえば、春にはウキウキ、わくわくする人が増える反面、イライラ、うつうつしてしまう人もいます。これは身体の性質が冬から春に変わろうとするときにその変化に対応できなくなった場合にイライラ、うつうつなどの症状が出てきます。 夏はどうでしょう。これからの時期は身体に熱がこもる、のどが渇く、胃腸の調子が悪い、動悸がするなどの、夏によくある症状を改善し、秋に向けて身体のバランスを整えていく必要があります。 季節だけでなく年齢、性別、症状に応じて身体のバランスを整えておくと、ストレスに強い体に変化していきます。